「昴はあたしの……か、かか……彼氏さんですっ!」
「きゃー! やっぱり!? そうなのねーっそうだと思ったぁー!」
「トール、まっか」
「そっ、そうかな!? そうだね!」
だって今までちゃんと誰かに、彼氏ですなんて紹介したことないんだもん!
「トールの、カレシです」
そう言って優しく笑う昴に、お母さんも顔を赤くする。
「何赤くなってんの!?」
「や~ん! だってほんとにかっこいいんだものっ! 素敵な彼氏ね~。……ところでどこの国の王子様なのかしら?」
「昴は一般人ーーっ!」
「え? 一般人なの? 嘘つかないでよ透。何が目的?」
嘘じゃないし何も企んでませんけど……。
痛む頭を押さえながら溜め息をつくと、クスクス笑いながら昴が口を開いた。
「オレ、mixed raceなんです」
「やっぱり王子様なのね?」
「昴の話聞いてた!?」
「だってお母さん英語得意じゃないもの~」
「昴はハーフなの!」
もぉ~……絶対変に思われた!
「あら、ハーフ? どうりで端正な顔立ちしてるわね~」
「タンセー……」
「綺麗ってことだよ」
「んん! オカーサマもキレーッ」
「やだ昴くんたら~っ!」
キャッキャッとはしゃぐお母さんがあたしと似てるなんてやっぱり認めたくない。
いやあたしがお母さんに似たの? そうなの?



