―――――――…
「透すげぇぇーー!!」
学校から歩いて15分ほどの場所にあるゲームセンター。
1分間で何回バスケリングにシュートを決められるかというゲームをして、あたしは1つも外さなかった。
機械のモニターには『No.1! TO-RU!』と表示されている。
ゲームをスタートする前に名前を入力するんだけど、湊磨はNo.5だった。
「透はシュート得意なんだから、当たり前の結果じゃね?」
忍がコイン投入口に100円を入れながら言う。するとモニターの下の穴から、バスケットボールが3個転がってきた。
「透は何で女バスに入ってねーの?」
「んー。好きな時に好きなだけやりたいから? 中学の時は色んな部活の助っ人してたけど、それはそれで楽しかったよ」
「ははっ! 透らしーっ! 入部拒否されてんのかと思ってたわ!」
「失礼だな! 拒否されるほど問題起こしてないよ!」
あたしと湊磨が話してる横で、忍が「入れよ!」と怒りながらボールを投げ続けていた。
「忍下手くそ」
「俺がレギュラー奪っちゃうぞー!」
「うっせぇ黙れバカ2人」
悪態を尽きながらガンガンボールを投げる忍に、あたしと湊磨は笑う。
結局忍はモニターに『No.17! shinobu!』と表示され、バスケ部レギュラーとしては残念な結果になった。
「リング低くね? 俺は3Pシューターなんだよ!」
「言い訳はなしですーっ」
「はい俺らのジュース買ってこ~い」
チッ!と盛大に舌打ちした忍は、罰ゲームとして3人分のジュースを買いに行った。
「湊磨、学校慣れた?」
「慣れた慣れた! 毎日超楽しい!」
「なら良かったよ」と言いながら近くにあったベンチに腰掛けると、転校してきて早2週間経った湊磨は満面の笑顔を見せる。



