――――――…
「決まりね」
いつものように食堂で昴たちと昼食を取って、今日の放課後は何をして遊ぶかという話になったのだけど……。
あたしの家でDVD鑑賞ということになってしまった。
キョウの家が良かったのに……絶対奈々の家みたいに豪邸だと楽しみにしてたのに……。
奈々があたしの部屋にDVDいっぱいあるとか言うから!
「ほな、また放課後!」
「またネ~」
階段を上がって教室に戻っていく昴たちを見送って、あたしは即行でのんにメールを送る。
もちろん汚い部屋を掃除してもらう為に!
帰りにのんが大好きなケーキを買って帰ろう……。
学校が終わってコンビニで飲み物やお菓子を買い込んだあと、みんなであたしの家に赴く。
部屋は綺麗にしといたよと清掃時間にメールをもらったから、安心して帰れる! のんが好きなチョコレートケーキも買ったしね!
「ただいまーっ! 入って入って!」
我が家の玄関を開けると、普段より靴が多く並んでいた。
「お母さん? 誰か来てんの?」
昴たちを家に上がらせてからリビングを覗くと、お母さんがソファーに座ってシクシク泣いていた。
えぇー……。
何事かと昴たちがあたしの後ろからリビングの様子を覗いてる
「ど、どうしたの……?」
絶対大したことじゃないと分かっていながらも、一応聞いてみた。
「のっ、陛が……! 部屋に入るなって……怒ったの……っ! 今更反抗期って何なのよぉおおお!!」
わぁぁぁん!と泣くお母さんがソファーにうずくまったのを見て、無言でドアを閉めた。



