学食に着いて各々が好きな昼食を注文し、長テーブルを囲む。あたしと奈々の前に大聖、湊磨くん、忍。
「なあ、名前聞いていい?」
湊磨くんは目をキラキラ輝かせて聞いてきた。すると「はい透、お前の役目」と忍が蕎麦を食べながらあたしを指名。
「んじゃ、あたしが教えるね。あたしが透!透でいーよっ。んでこの美少女が奈々ね!」
「透に奈々ね」
ウンウンと頷く湊磨くん。
「んで右隣が大聖で、左隣が忍。どっちもバスケ部だよ」
「マジで! うわ、よろしくっ!」
左右を見て嬉しそうに笑う湊磨くんは、なぜかふたりに握手求めてる。
「透に奈々に大聖に忍な! 覚えた! 俺のことは湊磨でいいから。仲良くしてなー」
「もちろん!」
そう言えば、湊磨は嬉しそうに笑う。あたしは新しい友達に浮かれ気味だ。
「1-3でラッキーだよ湊磨! うちのクラスみんな仲良いし、今年の学校行事全部優勝したんだよーっ」
「マジで? すげーなっ」
「まあ1番面白かったのは文化祭の時の透だよね」
「ああ、パンダな」
大聖と忍が思い出し笑いをして、湊磨が「何ソレ何ソレ」と興味津々で聞いてくる。
「ほら。可愛いでしょう?」
「ぎゃーっ! 奈々! バカッ」
「うははっ! 何これっ」
奈々が携帯の写メを見せれば、案の定笑い出す湊磨にあたしは怒った。
「無理やり着させられたんだよ!」
「いいじゃん! 可愛いじゃん! マジ似合い過ぎっ!」
笑い過ぎて「ひーっ!」とか言ってる湊磨に歯を食いしばる。
どーせあたしにはチャイナドレスよりパンダの着ぐるみがお似合いでしたよっ!



