プラチナ王子sequel



「Christmas……」

「え? ああ! いいよ大丈夫っ!」

「present……」

「また今度買いに行けばいいよ!」


そっか、今日クリスマスイヴか……。プレゼント買いに行ったり、色々予定立ててたもんなぁ……。


気にしてんのかな?


「風邪引いたんだから、仕方ないよ。気にしないでっ! ね?」


抱きしめられてるから後ろを向けないけど、笑顔でそう言うと「アリガト」と聞こえた。


「…………」



ちょ……ちょっとそろそろ……限界なんですけど……。


恥ずかしさのボルテージがMAXを振り切っているんですけど……。


「すっ……昴もケーキ食べる!? 昴の分も買ってきたからね、冷蔵庫にあるよっ」


取りに逃げようとしたけど、そんな簡単に離してはもらえなかった。


「あとで……」

「……ですよね」


病人にケーキって重すぎますよね。

出来ればゼリーとかスルッと喉を通る物の方がいいですもんね……ってもうダメ! 恥ずかしい! 心臓が持ちません王子!


「……トールがいい」

「はひ!?」


ダラダラと汗をかいてどうにか逃げようと考えていたあたしの耳に、昴の掠れ気味の声が届く。


「トール……earlier than a cake」


そう言った昴があたしの首に顔を埋めた。



――……以前? だからえーっと……ケーキより先に……何?



「はひっ!」


昴の唇が左側の首に触れたかと思ったら、鈍い痛みが走った。


なに何なに!?