「まあ今日は奈々と翔太が付き合ったし、キョウの正体も分かったからいいけどさぁ……。あたし的にはすごい充実した1日だったよ!」

「そだねー。ショータも、おめでと」

「いや~おおきに! 俺ら今日が記念日やねんなぁ……あっ! クリスマスどこ行く!?」

「ひとりで祝ったら?」


妖艶に微笑む奈々にとんでもないことを言われたのに、翔太は顔を赤くした。


きっと記念日だということを否定されなかったからだと思う。



「俺、明日……奈々と付き合っとるって校内放送かけてもええ?」

「釘バッドで殴られたいの?」

「コワッ! 持ってるん!? 釘バッド持ってるん!? 今から作るならやめてぇや!」

「透と透はクリスマスどこか行くの?」

「ちょ、奈々!? まず俺らのクリスマスの予定立てるんが先やろ!?」



奈々に完全無視され暗くなる翔太とは打って変わって、奈々に予定を聞かれた昴は満面の笑みを浮かべた。



「いろいろ~! Present買いにいったり、ネ?」

「イルミネーション観に行ってカフェでケーキ食べるのーっ!」


奈々と翔太とは間逆な2人だな。


「楽しそうでいいね」

「そういうキョウは? クリスマス何するの?」

「俺? デートする予定」


微笑んで言うと、なんでか透は大きく目を見開いた。


「キョウ彼女いたの!? もしくは好きな子と……っ」

「え? どっちもいないよ?」

「はひ……?」

「――あ。徠さんこっち! 透ありがとね」


俺は透の腕から眠るライアンを抱き上げて、徠さんの元へ向かう。



その後ろではまた、俺の謎が増えてることに気付くことはなかった。