「キョウの趣味って何?」
突拍子のないことをいい出すのも、相手がどういう人なのか無意識に知りたがってる。
そんな観察結果を思い浮かべながら、ニッコリと笑い返した。
「人間観察」
「やっぱり! 奈々と一緒っ」
「そうなの?」
奈々の仲間?と聞いてきたのはそういうことか。
確かに奈々と似てると言われたら否定は出来ないかもしれないけど。
でも俺、奈々みたいに腹黒くないしなぁ……。
ああでも今回は片棒担いだようなものだし、陰謀とか、やれば出来そう。
「あ、ライアン寝ちゃった」
ゆりかごみたいに体を揺らしていた透の腕の中で、ライアンが目を瞑っていた。
「ああ、昼寝しなかったからね。……もう18時になるし、そろそろ帰ろうか。奈々も早く着物脱ぎたいでしょ」
「ほんとよ。着物って何でこう息苦しいのかしら」
「ほんなら帰ろ帰ろ!」
翔太が腰を上げると、みんなも立ち上がる。
「透、もういいよ。ありがとう」
ライアンを抱っこしてる透に両手を差し出すと、まだヤダ……って顔をされた。
「ぷっ……ははっ! じゃあ徠さんが来るまでお願いね」
そう言うと、透は嬉しそうに笑いながら大きく頷く。
俺は徠さんに電話して、そろそろ帰るから玄関前で待ってると伝えた。



