昴と透。どことなく昴に似てるライアン。端から見ればまるで親子だ。
……親が若すぎるけど。
昴と透が結婚したら、毎日幸せなんだろうな。
透は子供いっぱい産みそう。ぽんぽん次々産んで、どっちが親か分からなくなったり……。
「ぷくく……」
つい想像笑いをしてしまうと、透が俺に視線を移す。
「キョウって笑い上戸だよね」
「よく言われる」
昔からツボが浅いのか、ちょっとしたことでもすぐ可笑しくなるんだよね。
だから失礼だとも言われるんだけど。
「あと平和主義っ」
「何事も平和が1番だからね」
俺がそう言うと、透は微笑む。そんな透の腕中にいるライアンが、今にも寝そうだ。
「キョウって周りをよく見てるよね。だから人が考えてること分かるんだね」
そう言う透も、よく見てるよね。
俺は昔から経営学とか心理学とか色々勉強してたから、人に対してどう接すれば欲しい情報を得られるのか、どう接すれば望む流れに運べるのか、基本的なことは分かってるんだと思う。
「透は人の気持ちの変化に敏感だよね」
透は眠そうなライアンの顔を覗きながら「う~ん」と唸っている。
「表情とか態度とか声の抑揚とかで、何かあったのかな?とは思うけど、さすがに何を考えてるかまでは分かんないよ~」
透はいつも相手の目を真っ直ぐ見て話すから、無意識に相手の"普通"を記憶してるんだろうな。
だから、普通じゃなくなった時に敏感に反応するんだと思う。



