この美青年誰!?
昴よりも背が高い男の人に目を見開く。
金に近い茶色の髪。鼻筋の通った高い鼻に、スクエア型の黒縁メガネが掛かる。その奥では、綺麗なアーモンド型の二重があった。
多分……25歳くらい。ていうか何か、どことなく昴に似て……似てる?
メタボなんて完全な勘違い! ごめんなさい! でもダメ! こんな美青年じゃメタボなオッサンよりもっっとダメ!!
「……奈々さんのお友達?」
「ごめんなさい。あの……」
「お前か!? 奈々のお見合い相手っちゅーんは!」
驚いていた翔太は怯むことなく相手を威嚇している。
「……まあ……そうなる、ね?」
「奈々はお前なんかと結婚せぇへんからな!」
「ちょっと翔太っ!」
「君は……誰だい?」
首を傾げるその人を睨んで、翔太は口を開いた。
「奈々と結婚する男や!!」
「「「――……」」」
その場にいた全員がポカーンとする。
翔太はすぐに自分が言ったことに気付いたのか、顔を真っ赤にして奈々を見た。
「ちっ……ちゃうねん! 今のは、そのっ、何ちゅーか……っ!」
告白のはずがプロポーズになるなんて!って感じの翔太に、奈々は口を覆って俯いてしまった。
「な、奈々……?」
「ふふっ。本当に翔太ってバカね。まさかそれ、プロポーズ?」
顔を上げた奈々は、とびっきりの笑顔を浮かべていた。
「――っ!」
翔太の顔は一瞬で真っ赤になって、奈々はクスクスと笑い続ける。
……え。これは、つまり……?
奈々が満面の笑顔を見せたということは、そういう、こと……?



