ダメなのに。

来ちゃダメなのに。



そう思う反面、寛司の体力の消耗は予想以上に激しくなっており、最早あたしの腕だけが寛司の身体を支えていた。


クロスやソードの力を持っていない一般人の寛司は、この風に耐えるだけでもかなりの体力の持ち主。


だけど、その寛司でも限界が見え始めている―――




「寛司、しっかりして!ここで諦めたらチャームの思うツボだよ!?」



「ヤベェ…足が持ってかれそう…」



「寛司…!」




上半身はあたしが支えているにしろ、下半身はブラックホールの引力の影響をかなり受けている。


辛そうに耐える寛司を、少しでも楽にしてあげたい。



その気持ちから、寛司の身体をもう少し下で支えてあげようと、腕の位置を動かした時だった。




「うっ…わ…!」



「え…か、寛司っ…!!」




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