昔から、私は、いわゆる『暇さえあれば、いつも一緒』という付き合い方が苦手だった。それは、相手が女友達であっても、男友達であっても、恋人であっても同様に言えることで、そのことが時には、『冷たい人』という解釈をされる事もあった。でも、誰にどう思われようと、一人でいる時間を持つことは、自分の心の温度を調節するために、私には絶対的に必要な時間なのだ。

周囲の多くは私を『強い人間』として認識しているが、本当の私は臆病な上に素直になれない人間なのだ。相手と常に一緒に居て、相手の心の温度になったあとで、ポンと突き放された時の空しさを感じるのが恐い。自分が泣きたくなってしまうような時に、周囲に優しくされると涙を隠そうとして苛立つ。『強い人間』でありたいと思うからこそ、必要以上に傷つくことを恐れ、取り乱す事を避けるのだ。