そしてね、またまたレイの人生を大きく動かす出来事が起きたの。 その日、いつものようにレイとヒロくんはバーに向かっていたわ。 小さな2人だけの舞台に立つために。 「前髪伸びたわね」 そう言ったレイに 「……また、切ってよ」 って、ヒロくんはそうっと微笑んだの。 風が頬をかすめたように。 ――レイはこのヒロくんの、最後に見た笑顔を、忘れることはできなかったわ。 「じゃあ、家に帰ったらね」 レイも風に当たった頬を緩めたの。