隆は考え込むように、パンフレットを見ている… 私は黙って、そんな隆を見ていた… 時間だけが静かに過ぎてゆく… 『そ〜だなぁ…』 隆は軽く伸びをすると、タバコに火をつけた。 『10月…だったら、休み取れるから…それで、いいか…?』 『うん…』 隆がどんな心境で、旅行を決めたとしても、私は少し、ホッとした… 先にある約束で、2人の隙間が埋まる保証はない… ただ…これから訪れることが先伸ばしになっただけかもしれない…