黙って展開を見つめる春樹と、何も言えず真っ白になったままの私。 そんな中、千波さんだけが饒舌に語る事を止めない。 「いい?春樹は普通の女は愛せないの。寂しそうな女にしか興味が無いの」 ……やめて? 「だから、凛よりも寂しい女を見つけたらどこか行っちゃうのよ。この男は」 ……やめてよ。 「そう、私みたいに……好きになった気持ち。そんな火種だけ植え付けてね」 その瞬間、パンっと乾いた大きな音が響いた。