「何で凛が……?」 「春樹……どうして?」 立っていたのは髪の毛を乱して、尋常じゃない顔をした春樹。 「ここは……千波の家、だよな?」 一度表札を確認すると、何かを思い出すように目を閉じる。 聞きたい事がたくさんあり過ぎて ぶつぶつと記憶を辿るその姿をあっけにとられたまま見ていると…… 「そういう事か」 「何が?」 「前に千波に後輩を住まわせたって聞いた事があって……で、凛が言ってた先輩ってのが千波だったって訳か」