店が終わる頃に春樹に電話をしよう。 そんな事を考えながら家に着いた時、千波さんの姿はまだそこに無い。 ここが私の家だったら、春樹を呼んだり出来るんだけど……。 先輩の好意で住まわせて貰っている事は春樹には話してある。 「いい先輩を持ったな。凛もその人の事、大事にしなきゃな」 長い指で私の短い髪の毛を梳かしながらそう言っていたっけ。 誰にでも優しく、周りにも優しさを求める春樹。 私の自慢の彼氏。