春樹の事を紹介しようか……一瞬迷ったものの、距離が遠過ぎる。
それに……最近どこかおかしい千波さんの事を思うと、ここで声をかけてはいけないような、そんな気がする。
そんな事を思っているうちに、春樹が登場して、青いライトに包まれた。
この瞬間がたまらなく好き。
光の中で、汚れた自分が浄化されて行くような気分になれるから。
時々視線がぶつかる度、胸がドキドキしてしまって……好きって気持ちが増大する。
いつの間にか千波さんの事は忘れていた私とは逆に、ちらちらと奥を気にしていた春樹には気付かないまま、時間は過ぎて……一人店を後にした。



