「春樹が本気で好きになった子を無下には出来ないし……」 「じゃあ、本当にいいんですか?」 「正直凛ちゃんみたいな今風じゃない子の方が俺は好きだし……あ、好きって別に恋愛感情じゃないから春樹に言うなよ?」 笑ったマスターにつられて一緒にくすくすと笑う。 私は……どこかのお店でこんな風に笑っていたのかな? 今風じゃないと誉められた巻くほどもない肩までの髪を揺らしながら、お辞儀をして外に出た。