まさか、と思った。 きっとこの街に春樹という男は他にもいるだろう。 だけど……符号が合い過ぎる。 私に別れを告げたその日、凛に彼氏が出来た。 これは偶然? それとも……。 聞いてしまったら自分が壊れてしまうかもしれない。 それでも、黙って胸の中にしまうなんてとても出来なかった。 だから、戻ってきた凛へ、震える唇で声をかけた。