「千波さん? 大丈夫ですか?」 驚くのも無理は無い。私がお酒を飲んで乱れたり、潰れたりする事は滅多にないから。 差し出されたコップの水を大人しく受け取ると、凛の顔がいつもより明るい事に気付く。 「どしたの?」 「何がですか?」 「いや、なんか朝からにこにこしてるから」 いつもだったらすれ違いばかりで、そういえばこんな風に向き合った事なんてない。 私が人を避けて来たんだから当然か。