本当の愛なのか



それとも、ただ私が寂しい女だからいてくれると言う愛のない言葉なのか。



そんな事はもうどっちでも良くて



私には、その大きな手が救いの手に見えた。



幻想的な音を奏でるその長い指に、もっと触れられたいと思った。



「俺が凛のそばにいるから……」



その言葉を信じて、不安から逃げ出すように春樹と唇を……そして体を重ね合わせた。



何度も好きだと言ってくれる言葉に、ようやく居場所を見つけた気がして……



いつの間にか、抜け落ちた記憶なんてちっぽけなものだって、そう思えるようになっていたんだ。