「私もう行くけど大丈夫?」 千波さんの言葉で顔を上げると時間は17時。 「私……夜働いてましたよね?」 微かな記憶を辿って確認すると 「そうみたいだったよ」 即答して、慌しく靴を履き家を飛び出して行く。 私もあんな風に今日行かなければいけない場所があるんだろうか? 一人になった途端に襲い掛かるのは、とてつもない恐怖。 怖い…… 怖いよ……ねぇ ……春樹……