「千波さん、私仕事って何してたんだっけ?」 突然の質問に一瞬眉をひそめて 「聞いてないから知らないけど」 そうさらっと言ってのける。 そうだ。千波さんは他人にあまり興味が無い人で……だから私を住まわせてくれた時驚いたんだ。 家を出て……千波さんと住んで 一番新しい記憶は春樹と出会った事。 なのに、仕事の記憶だけが脳の中から切り取られたように抜け落ちていた。