目が覚め、体を起こすと部屋には千波さんがいた。 「なんかうなされてたよ?」 いつもの気だるくて甘い声。 「…………」 なのに何でだろう? 何かを忘れている気がする。 だけど、足りないそれが何なのかが……分からない。 「今日も仕事?」 「仕事?」 そっか。仕事だ。 あれ? 仕事って…… 何してたんだっけ?