それから……更に一年が過ぎた。



私は、ずっと春樹の言葉を考えていた。



自分の事は自分で解決しなくては。



その為にまず必要な事。



逃げてはいけない現実。



「もしもし……凛、だけど」



おそるおそる電話をしたのは、もう会わないと決めていたあの、生まれ育った家。