やっと会えたのに。 そこに、大好きな瞳が、手が、あるってのに……。 どうして、こんなに遠いの? 声が震えた。 無理なのかもしれない。そんな嫌な予感がした。 そして……そんな私の心へ突き刺さる言葉。 「分かったんだ。俺たちに足りないもの」 「私達に……足りないもの?」 優しく諭すように話す声だけはあの頃のまま、春樹は言葉を続ける。