マスターの静止も聞かず、私は外に飛び出していた。 あの店へと走り、春樹のいる拘置所を夢中で聞き出した。 とにかく顔が見たくて……出来る事なら触れたくて。 こんなに長い時間何も知らずに病気になってしまっていた自分を呪った。 だけど……私は春樹と会うことは出来なかった。 この建物の中に春樹はいるのに…… 「浅野さんが面会を拒否していますので」 そんな冷たい一言で、私はまた外へと放り出されてしまった。