そう強く胸を叩き祈ると、千波へと向かいまっすぐに歩き出す。 もう、不快な新しい靴の軋みは気にもならない。 ただ……凛だけは絶対に罪人にしてやらない。 それだけを思って…… 今一番大切な事。 千波を凛から遠ざける事。 笑い声を上げる背中をぽんぽんと叩くと……千波は驚いた顔でくるりと振り向いた。