キッチンに置かれた救急箱を開くと、そこには白くて丸い小粒の錠剤がシートで雑に詰め込まれている。 そこから2錠をプチプチと押し出すと、コップに水を注ぎ一気に飲み干した。 「一人でいると不安な時無い?」 かすれた甘い声でそう言いながら千波さんが差し出してくれたのがこの薬で……これは、抗不安薬と呼ばれるいわゆる安定剤。 「医者の客から分けて貰ってるんだ。勝手に飲んでいいよ」 毎日が不安な私は、少しでも楽になりたいから……この薬についつい頼ってしまう。 せめて夜ぐらいは、静かに眠れるように。