頭の中でカウントをして、想いが音になった瞬間に張り詰める空気。 明らかにそれがいつもと違う事が分かる。 少し悲しくて、だけどたくさんの愛が込められた初めての旋律。 「まるで音が空気に入り込み、青い光と共にフロア全体を浄化しているような……」 そこまで書いて記者も手を止めた。 圧倒的なパワーに押されたのだ。 文字では言い尽くせない、春樹の奏でる力に……。 これまでとは違ったその姿を……凛もまた、少しも目を離す事なく見つめ続けていた。