「凛さ、寝る前の薬を変えてから眠れるって言ってたよな」 「うん」 肩までの髪は知り合った頃よりも少し伸びて、毛先が俺の肩をくすぐると丸い顔をこっちへと向ける。 「俺もさ、最近眠れなくて……ちょっとだけ貰えない?」 聞いた俺に凛は迷い無く袋に入った小さな錠剤を手渡して 「私が言っても説得力無いけど、頼りすぎたらダメだよ」 純真無垢にそれを信じている凛の姿がただちょっとだけ……嬉しかったんだ。