「ただいま~」



こんな明け方だから当然千波さんは寝ていると思うけど、一応声をかけて部屋へと上がる。



千波さんは地元の先輩で一つ年上。



家を出て、街を徘徊していた私が中学以来会っていない千波さんと再会したのは偶然で



互いの近況を話しているうちに



「行く所無いならうちに来る?」



そんな素っ気無いけれど、優しい言葉に救われて、今こうしてここで暮らしている。