「じゃあ……私の事まだ……」 思えば最初から、寂しいなら抱いてやるって……そんな言葉が始まりだった。 更に障害が増えた今、捨てられる恐怖があるのは当然で。 「俺には凛しか見えてないよ」 頭に大きな手が伸びた。 大好きな、私を守ってくれる大きな手。 綺麗な音を奏でる魔法の手。 「不安にさせてごめんな」 その言葉で、ようやくちゃんと息を吸えたような、そんな気がしたんだ。