あったかいコーヒーを頼むと、仕事帰りの水商売客や、朝まで飲んでの始発待ちらしい人達で案外賑わう店内で向き合った。 「春樹は……知らなかったんだよね?」 「当たり前だろ。もし凛が千波の知り合いだって知ってたら……」 そこで一旦息をつくから、ますます不安に苛まれてしまう。 私とは付き合ってなかった? それとも……今、距離を置きたい? 顔を上げられず、次の言葉を待つ私に春樹は 「ちゃんと千波に話してから付き合ったに決まってるんだけどな」 そう言って……いつもの笑顔で笑った。