「俺は困ってる人を助けてやれって言わなかったか? 誰が、廃人を増やせなんて言った?」 「…………」 「そんな心の汚い女、好きになれると思うのか?」 それだけ告げると私の腕を取り外へと促す。 「もういい、行こう」 千波さんの事が気になりながらも……そのまま従うしかなくて。 今の私はきっと……視界に入るだけで、千波さんの心を壊してしまう。それが現実。 背中からは叫ぶような……搾り出すような、そんな千波さんの泣き声が聞こえていた。