いつもの分かれ道で、咲希は力無く私に手を振り、言った。

「ハナ…。今日のこと、誰にも言わないでね…。」

「咲希…。」

「…ごめん、一人にさせて…。」

咲希は寂しそうに笑うと、私に背中を向けた。

その一際小さく見える背中に何も言うことは出来なくて、私はただ、咲希が去って行くのを見つめることしか出来なかった。