「私、環。仲良くしてね。咲希ちゃん!」

環さんはそう言って微笑んだが、次の瞬間、咲希が最も聞きたくないことを言った。

「私、お父さんとお母さんとトウマと、幸せにやってるのよ。」

幸せ。父は母や自分を捨てて、何もなかったように幸せにやっている。

咲希は、環さんに背を向け、家まで走った。



大嫌い。お父さんも、シン兄も、環も。