「トウマさん!」

私の呼び声に、トウマさんはすぐに気付いて、軽く手を上げた。

「こんにちは、まだ学校に居たんですね。」

「まあな。お前は?」

「私は委員会です。学校祭も、もうすぐだし…。」

金網越しに会話する。それが私達の関係。

「学校祭か…。楽しみなのか?」

「はい!…あ、トウマさんも来てください!結構盛り上がるらしいですよ!」

「いや、一人で行ってもなあ。」

「だったら、た…。」

環さんと、と言おうとして、なぜか声が出なくなった。