「ああ、あのね。これからお墓参りなんだっ!」

私がしげしげと見ているのに気付いたのか、環さんは笑顔で答えた。

「…誰か亡くなったんですか?」

「うん。お父さんだよ。もう結構経つけどね…。」

「あ…なんか…すみません…。」

「えっ?いいよー、気にしないで!…それよりさ…。」

環さんはいたずらに笑うと、何だか何もかも見透かしたような目で私に尋ねた。