私と咲希は歩き出す。その時、ふわりと風が吹いて、手に持っていた飴の袋が落ちる。

「おっと…。」

地面に落ちた袋を私は慌てて拾った。

ゴミなんだけど、ゴミじゃない。

トウマさんがくれた目に見える唯一のもの。
咲希は、飴の袋を大事そうに握る私に不思議そうだった。