「姫、聞いてた…?」

千花が去ってしばらくしてから、木陰に隠れていた咲希は颯大の前に姿を現した。

「…ハナが…あんな風に思ってたなんて…。」

「もう、どうしようも無いんじゃないか…?ハナちゃんはもうダメだよ。」

「ううん。」

咲希はきっぱりと言い切り、何かを決意するように頷いた。

「…私、決めた…。」

夏 10章に続く