私が校門前に立ってしばらくすると、トウマさんはゆっくりこちらにやってきた。

「おう、遅れたな。」

「いえ、別に…。」

私は握り締めていた袋をトウマさんに渡した。

「これ、どうぞ。」

「サンキュー。ま、あんま本とか読まねーんだけどさ。」

「じゃあこれを機に読んでください。」

「お前も言うな…。」