私が階段を降りようとすると、トウマさんが急に呼び掛けてきた。

「あのさー、俺もうちょっと風に当たってくから、悪いけど下で待ってて。」

「は…。」

トウマさんは金網に寄り掛かって、私に背を向けている。

もしかして…私が疲れてるのに気付いたから?ゆっくり降りていいよ、って暗に言ってくれてるの?

プラスに考えすぎかな…とも思いながら、私はゆっくり階段を降りて行った。