ここで断ることは…咲希には絶対出来ないと思った。

咲希は夏服を風になびかせ、颯大と二人、林に入って行く列に並んで行った。

私は一人取り残されたけど、やらなきゃいけないことがある。

静かに恵美達に近付いて行く。
咲希がどうしても颯大と二人で行かなきゃいけない理由。

みんなで行けない理由。

上手く言えるかはわからないけど…言わないと、咲希が可哀想だ。

「あの…恵美ちゃ…!」

驚きのあまり声が出なかった。