そこまで仲良くなっていたんだ…。

でも、颯大の様子は昼までと違った。

恵美達に「悪い。」と一声掛け、腕を優しく払った。

呆気にとられた恵美達は咲希に近付いて行く颯大を凝視していた。

颯大は、咲希に近付いて来る。
その表情があまりに堅くて、真剣だったから私も少し咲希から離れた。

対峙する咲希と颯大。

二人とも表情は静かだった。

「姫…。」

最初に口を開いたのは、颯大。
咲希は返事もしないで颯大を見つめている。