たまに吹く秋風に身を縮めながら、私はコートのポケットに手を突っ込んで、隣にいるミヤを感じていた。

ミヤが口を開いた。

「ハル……俺たち、このまま生きよう。
 いいと思わないか?
 ふたりでさ」

ようやく私に向けられたミヤの瞳。

「ミヤ……」

突然のセリフに私はびっくりして、そう言うので精一杯だった。

「ん?何だよ、そんな顔して」

ミヤが笑う。
私は精一杯に首を横に振った。

「冗談じゃ……ないよね?」

「バカだなァ。
 そんな恥ずかしいこと、言えるわけないだろう」

「嬉しい……嬉しいよ」

私がそう言うと、ミヤが私の肩を抱き寄せた。

「ようし、決まりだな」

大きい彼の手に私は身をゆだね、安心して目を瞑った。

「うん……ミヤ、ずっと一緒だよ」

「あァ、ずっと一緒にいよう。
 俺はずっと、お前から離れない、ずっとだ」