「かりんは寒いの苦手?」 私はこくんと頷いた。 苦手どこじゃない。 大嫌い。 「ずっと付き合わせちゃってごめんね。」 「柊くんが謝る意味分かんないよ。」 寒いけど柊くんに会える、柊くんに会えないけど寒くない、この2つを天秤にかけた時、私の中で前者が勝っただけの話。 「一回呼び止めちゃったから、情で来てくれてるなら申し訳ないと思って…。」 「情だったら来てないから安心して。」 「そっか。」 嬉しそうに柊くんがはにかんだ。