私は柊くんの唄を聞くと泣きたくなる。 私の中の矛盾した醜い感情を代弁してくれているから。 だから『ありがとう』しか言えなくなる。 落ちてくる雪をたどって空を見上げた。 雪だか星だか分からない点々がキラキラ。 ついでに柊くんの横顔も盗み見た。 雪にも気付かないで必死に声張り上げてる柊くんは、雪にも星にも負けないぐらいキラキラ。 「あっ、雪!!」 ギターを片付けながら柊くんが言った。 さっきの男の子と同じ反応で私は吹き出してしまった。