シンとしたホームに私だけが残される。 私はすぐにその場を離れる気になれなくて、自動販売機でミルクティーを買った。 それで手を暖めながらいつも柊くんが路上ライブしていた場所に座った。 寒いのなんか慣れていた。 だって、柊くんは寒さに強いから、寒いとこばっかだったんだもん。 もっと私のこと考えてよね~! なんていつもの、今までの調子で叫んでみた。 1人、笑った。 出会いはこの駅。 別れもこの駅。 あの日も寒い冬だった。 この日も寒い冬だった。