「かりん、左手貸して。」 柊くんは自分の左手を地面にあてて、その上に私の左手を重ねた。 「以心伝心トリプルバージョン。」 「なにそれ。」 「俺とかりんと秘密基地。 みんなの気持ちが伝わっちゃうっていうスペシャル技。」 柊くんらしい素敵な隠し技だったね。 結局、あの日が秘密基地と私たちの思い出の最後のページとなった。 次の日から秘密基地は立ち入り禁止になったから。 灰色の幕で覆われて、私たちが中を見ることもできなくなった。